私たち、緩和ケア推進コンソーシアムは、2008年4月に「がんの痛み治療の普及・啓発を目的とした企業団体」である「がん性疼痛緩和推進コンソーシアム」として設立されました。その後、がんの痛み治療の普及だけでなく、緩和ケアの推進に取り組むべく、2014年4月に現在の名称に変更しました。厚生労働省健康局 がん・疾病対策課や日本緩和医療学会、国立がん研究センターなどの団体と歩調を合わせ、産業界の立場から「多くの方々に『緩和ケア』の正しい情報を伝えるための取り組み」を行っています。
多くのがん患者さんやそのご家族が、十分なケアを受けることのないまま、苦しみながらがんと闘っておられます。この背景は “緩和ケア”に対する誤解や正しい情報が広く伝わっていないことによる弊害が原因だと私たちは考えています。
全国どこに住んでいても“身体や心の様々なつらさに苦しむことのない日本”にするためには、がん患者さんやそのご家族だけでなく、がんを患う可能性のある全ての人に“緩和ケア”というものについて知ってもらうことが大切だと考え、私たちは企業の枠を超えて“緩和ケア”の普及に取り組むことを決意しました。
現在、緩和ケア推進コンソーシアムには、
2社が加入しています。
(2023年4月1日現在、五十音順)
私どもは2008年4月に、がんの痛み治療の普及・啓発を目的とした企業団体「がん性疼痛緩和推進コンソーシアム」を設立いたしました。
がんと診断された患者さんは、痛みや倦怠感などの様々な身体的苦痛だけでなく、悲しみや落ち込みなどの精神的苦痛を抱えておられ、そのご家族も同様の苦痛を抱えておられます。
2016年11月に厚生労働省が実施した「がん対策に関する世論調査」では、緩和ケアのことを「よく知っている」と回答された方は26.2%、緩和ケアを開始すべき時期について「がんと診断された時から」と回答された方は56.1%でした。このことから「緩和ケア」に対する情報がまだまだ不足しており、身体的、精神的苦痛に対するケアを充分に受けないまま、患者さんとそのご家族は、苦しみに耐えながらがんと闘うというケースが少なからずあると思われます。
実際に国立がん研究センターが2018年12月に発表した「がん患者の人生の最終段階における苦痛や療養状況に関する初めての全国的な実態調査」のがん患者の遺族を対象にした調査の中では、死亡前の1カ月間を身体的苦痛がある状態で過ごしていた患者さんは4割以上という結果が示されました。このような状況を変えるには「緩和ケア」の正しい情報を、がん患者さんとそのご家族を含め広く国民に知っていただくことが必要だと考えています。
私たちは産業界の立場から、積極的に「緩和ケア」の正しい情報を伝えることで「すべてのがん患者さんとそのご家族が身体的、精神的苦痛、つらさから解放される」ことを目指すことを宣言いたします。
2007年4月「がん対策基本法」が施行され、がん患者さんの療養生活の質の維持と向上を目的として、「緩和ケア」を推進していくことが定められました。オレンジバルーンプロジェクトは、厚生労働省が計画した普及啓発事業であり、患者さんを含めた一般の方々を対象に、「緩和ケアは死を待つだけのあきらめの医療」などといった誤解を解き、「診断時からの緩和ケア」の正確な知識を広めることを目的としています。当コンソーシアムは市民セミナーの協賛・運営のお手伝いやマスメディアの方々にオレンジバルーンを取り上げてもらうための広報活動にも力を入れています。
これまで、がん性疼痛緩和推進の立場から、より多く方々に「がんの痛み治療」の情報を伝える取り組みを展開して参りましたが、今後は、「緩和ケア」の普及に向け、より 一層、メディアや、日本緩和医療学会をはじめとする関連学会など、各方面の方々との連携が重要だと考えています。平成26年度からは、国立がん研究センターとの包括的連携に関する協定を締結するなど、産官学の連携の更なる強化のもと、積極的に情報発信を行っています。
また、コンソーシアムの取り組みをより多く方々に知っていただくために、Webサイトのコンテンツの充実をはかり、パンフレットを作成するなどの活動を進めています。
「オレンジバルーンプロジェクト」は、2008年3月に厚生労働省が日本緩和医療学会に委託した、「緩和ケア」啓発事業です。